芸人“片岡鶴太郎”が一昨年に行われた自身の子息の結婚式で不遜にも手術直後の天皇陛下の物まねを披露した問題が尾を引いているようだ。

アサ芸プラス 2014年9月24日
近年は芸術家として認知されているが、ウケようという芸人としての本能が暴走してしまったのか。片岡鶴太郎が天皇陛下のモノマネを披露して右翼団体を激怒させ、謝罪文を送っていたことがわかった。ところがこれで幕引きどころか、さらなる宣戦布告を食らっているのである。
「いや、全然幕引きとは思っていませんよ。向こうもそうなんじゃないですか。ウチはまだ許してないけん‥‥」
怒りを込めて力強く話すのは、長崎県長崎市に本部を置く右翼団体「正氣塾」の代表である。矛先を向けられているのは、タレント、俳優、そして画家としても活動する片岡鶴太郎(59)だった。
コトの発端は12年3月3日に遡る。この日は、都内ホテルで鶴太郎の長男の結婚披露宴が行われた。なぜか背中を丸めた姿勢でゆっくりと歩く鶴太郎が登場すると、
「本日はお忙しい中、おいでいただきましてまことにありがとうございます」
と挨拶したのである。その声、所作は天皇陛下にそっくり。それもそのはず、鶴太郎は天皇のモノマネをしていたのだから。
数々のモノマネのレパートリーを持つだけに、さすがプロの芸‥‥と思ってはいけない。披露宴出席者の一人が正氣塾幹部の知り合いだったことで、事態は急展開した。同塾の若島和美副長が状況を説明する。
「ちょうどあの時、天皇陛下がご病気をされて、心臓冠動脈のバイパス手術を終えられたばかりだったんですよ。(鶴太郎が)陛下のモノマネをしたとたん、それまで盛り上がっていた会場の空気が一瞬で変わったそうです。みんなシーンとなってしまった、と」
鶴太郎の「不敬」行為に憤慨した若島氏は程なくして、鶴太郎の所属事務所である太田プロダクション、さらには長男が経営する都内のもつ焼き店に街宣をかけ、抗議行動を行う。と同時に、10項目にわたる質問状を送ったのだった。若島氏が続ける。
「質問内容としては、歴代の天皇、ご皇室がどのような役割を果たしてきたのかを理解しているのか。あまりにも不敬じゃないですか。ご皇室のことを軽んじているわけですからね。それと、モノマネをした理由や経緯もです。これは右翼、民族派に対してケンカを吹っかけているようなものだから、我々と討論会をやろうよ、ということも提案したんですよ」
鶴太郎本人から若島氏宛に届いた回答書には、謝罪の文言がこうつづられていた。
〈三月三日は、天皇陛下の手術が成功し御退院を間近に控えておられる時であり、また、すべての国民が天皇陛下の御平癒を心から祈念していた最中でありました。

芸能ジャーナリスト・安良佳人氏は、一連の経緯を次のように評する。
「例えば、第二次世界大戦終戦直後の連合国軍占領下の日本を描いた昨年公開の映画『終戦のエンペラー』では、片岡孝太郎が昭和天皇を演じましたが、そうして多大な緊張感のもと、役を演じるのならともかく、天皇を笑いの対象にしたのはまずかった。モノマネの場に許容範囲であるリスペクト、尊敬の念が感じられれば、出席者は疑問には思わなかったでしょう。それが伝わらなかったということは、単なる笑いの対象だったということになるのでは」
若島氏は言う。
「全部、認めたってことですよ。(討論会回避も)いちおう、それで納得してやるか、と思いましてね。もしやったとしてもね、我々に論破されてしまうことは明らかなんだから」
ここで若島氏はいったん、街宣活動を「中断」。ところがこのあと、事態は新たな展開を迎える。13年9月、長崎出身の友人知人が多いという鶴太郎が長崎市観光名誉大使に就任したのである。今年2月、鶴太郎は地元の祭り「長崎ランタンフェスティバル」に大使として参加し、4月には画家として長崎県美術館で「片岡鶴太郎展」を開いている。
正氣塾の本部が長崎市にあることを知りながらあえて乗り込む「挑発的行為」に、正氣塾は再び動いた。
「鶴太郎の写真を引き伸ばし、謝罪文と一緒に街宣車に貼って、長崎市役所に街宣かけとるとです。『こんな人間に何で大使なんかさせるんや』と。市役所からは一切反応はないですが、困っていることは確かですよ。これからも大使を辞めさせるよう、求めていきます」(正氣塾代表)
みずから火に油を注ぐことになった鶴太郎。それが冒頭の「未決着」宣言につながっているのである。そして代表は、さらなる「計画」を口にした。
「東京ではメンバーの一人が体調不良で休んどることもあるけん、(街宣を)小休止しとったとです。今後、(鶴太郎の)自宅にも(街宣を)やるように準備しています。それと、草津温泉に美術館(草津片岡鶴太郎美術館)を持っとるでしょ。順番に街宣をやっていきますよ。大使を辞めて“ちゃんとした人”からお詫びがこんかぎりは。つまり、プロダクションの社長がおるでしょ。今、その人が逃げ回っとるんですよ、私から」
若島氏もこれに呼応。
「私もまた別の方法を考えなくちゃいけないかな。やはり本人に会って話をせねばならんわな」
もはや、対面激突しか解決の道はないのか──。
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