平和安全保障関連法案を巡り、抗議デモを続けている学生団体SEALDs(シールズ)に触発された、東京の学校教職員有志らが、TOLDs(トールズ=TokyoのLiberal でDemocratic なSensei)を結成し、メンバーが、法案への反対声明を発表するとともに、主に東京の学校教員や元学校教員を対象に、以下のメッセージの賛同人になるよう呼びかけを行っている。呼びかけ人は野津田高校(nozuta-h.metro.tokyo.jp)の岡田明教諭、六郷工科高校(rokugokoka-h.metro.tokyo.jp)の加藤誠教諭、足立工業高校(adachikogyo-h.metro.tokyo.jp)の井黒豊教諭。

2015年8月16日日曜日
東京の戦争を知らない教員たちからのメッセージ
東京の学校(公立でも私立でも小・中・高・特別支援等どれでも)で教員をしている、もしくはしていた方、以下のメッセージの賛同人になっていただけませんか? あなたも、TOLDsです。 なお、卒業生・保護者、先生じゃない方、さらに他府県も方の賛同もお願いしています。(このページの下の「賛同はコチラから」をクリックしてみてください。3カテゴリーで賛同人を募っています)
戦争を知らない教員たちからのメッセージ
日本は敗戦70年を迎えました。かつて「大日本帝国」の時代、この国は他国を侵略し、1931年からは、いわゆる「15年戦争」を引き起こし、アジアの諸国民と連合国に甚大な被害を与え、多くの人命を奪いました。そしてこの国自身も深く傷つき、壊滅的敗北に至りました。
私たちは戦後生まれの戦争を体験したことのない教員です。しかし、私たちは内外の戦争体験者の証言や戦後補償の訴え、文献や戦跡へのフィールドワーク等を通じて戦争の悲惨さや恐ろしさを学んできました。戦時下、教員は「お国のため」と称し、教え子を戦争に駆り立てました。学校教育が「軍国少年・少女」をつくったのです。教員は国民を戦争に総動員する戦争加担者でした。私たちはこの反省に立ち、「教え子を一人たりとも戦場に送らない」という決意をもち、こののちも過去の戦争について常に学び直します。そして国内外の人々に今も残る痛みを伝え続けます。
私たちは二度にわたる世界大戦の惨禍の果てに到達した人類の遺産であり、未来を照らす光ともいうべき「日本国憲法」の崇高な理念を受け継ぎます。そして核廃絶や世界平和実現のリーダーシップをとり、平和国家として日本を世界の中で名誉ある地位に導くような人を育てたいと願います。私たちは多様な「他者」を尊重し、また自分も尊重される社会を創るにはどうしたらよいのかを児童・生徒たちともに考えます。この世界には依然として格差や貧困および民族間の対立が蔓延し、グローバル化の中でさらに拡大しています。戦争の温床となっているこれらの問題の根源に目を向け、武力の行使や威嚇によらず、対話によって解決していくことを目指す人を世界に送り出したいと願います。これこそ真の「積極的平和」ではないでしょうか。
安倍内閣は集団的自衛権の行使を可能にしたいがために、昨年7月、憲法9条を無力化するもはや「解釈」とは言えない閣議決定を行いました。これは権力の暴走に鎖をかける立憲主義の廃棄です。そして今、実態は戦争法案である「安全保障関連法案」の成立を目指し、学者たちの「憲法違反」の指摘や全国で展開し始めたさまざまな反対運動を無視し、衆議院において強行採決を行いました。これは非民主主義的態度ではないでしょうか。私たちはこの法案を日本国憲法の精神から認めません。また政府が民意を軽視、無視していく姿勢に深い憤りと危惧を抱き、これを批判します。敗戦から70年。私たちは不戦の誓いを新たにし、戦争の芽を摘み取り、これからも教室に平和の種を蒔いていく決意をする者たちであることをみなさんにお伝えします。
2015年8月15日
TOLDs 東京の学校教職員有志
*呼びかけ人
岡田明(野津田高校)、加藤誠(六郷工科高校)、井黒豊(足立工業高校)
http://www.tolds20150815.blogspot.jp/2015/08/blog-post.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA