米軍の空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の実施候補地の馬毛島(鹿児島県西之表市)について、政府と土地所有者側が11月29日、約160億円の売買契約を結んだ。
今後、馬毛島でFCLPを実施するほか、自衛隊施設も整備し、訓練場として使い防衛の拠点とする方針。
【馬毛島、一つのヤマを越えました】
米軍FCLP施設候補地の馬毛島については、土地所有者と交渉してきましたが、本日、これまでの協議内容を双方で確認。価格は約160億円。今後、取得のための手続が継続する。
馬毛島は、米軍よりも自衛隊の訓練場として、有効に使わないと。FCLPの施設だけではない— 佐藤まさひさ (@SatoMasahisa) November 29, 2019
馬毛島は種子島の西約12キロに位置する約8平方キロの無人島。空母の飛行甲板の代わりに陸上滑走路を使い、空母艦載機が発着艦訓練を行う米軍のFCLPを馬毛島で実施する。また、政府は海上・航空両自衛隊の訓練も行い、南西方面での有事の際には戦闘機配備などの拠点として活用することも検討している。
日米両政府は平成23年の合意で、硫黄島(東京都)で暫定的に実施しているFCLPの移転先として、馬毛島を選定した。その後、防衛省が馬毛島の大部分を所有する東京都の開発会社と交渉に入った。
防衛省は土地価格を約45億円と鑑定したが、開発会社側は滑走路を整備したことなどを理由に数百億円規模を要求。今年1月、160億円程度とすることで折り合いが付き、細部の交渉が続いていた。