熱帯医学・マラリア研究部 石上 盛敏上級研究員・狩野 繁之部長らの研究成果が米国科学誌『PLOS Neglected Tropical Diseases』に掲載されました。
国立国際医療研究センター研究所
2013年10月24日
<和文タイトル>
韓国の三日熱マラリア原虫集団が2002年から2003年にかけて遺伝的に劇的に変化したことがマイクロサテライトDNA解析で明らかとなった
【結果】DNA解析の結果、韓国 では1990年代初頭から2001年ごろまでは、遺伝的に2種類の系統の三日熱マラリア原虫が流行していたが、2002年から2003年にかけてその傾向が大きく変化し、それ以降はそれまでに観察されなかった3種類の系統が大多数を占めるようになった。
すなわちわずか1、2年で集団の置き換わりが生じていたことが明らかとなった。
【結論】
三日熱マラリア原虫集団が、2002年から2003年にかけて遺伝的に激変した原因は、他の流行地域からの流入によるものと推察された。流行地域の地理的特徴から見て、北朝鮮からの流入によると推察され、これこそが韓国が三日熱マラリアを制圧できずにいる原因と考えられた。
【本研究の概要・意義】
韓国軍兵士の間で流行していた三日熱マラリア原虫集団の遺伝的特徴を、DNAデータを用いて15年間に渡って精査した結果、2002年から2003年にかけて、原虫集団が遺伝的に劇的に変化していることが、本研究により世界で初めて明らかとなった。この原因は北朝鮮から遺伝的に異なる系統の原虫集団が流入したことによるものと推察された。
本研究成果は、たとえ人の移動が制限された国同士であっても、マラリアが媒介蚊の飛翔により隣国へ拡散したことを示した例であり、マラリア対策の困難さを如実に物語っている。

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