農業

日本で規制が進まぬネオニコチノイド系殺虫剤

Written by  on 10月 9, 2015

タバコの有害成分ニコチンの類縁物質であるニコチノイドの構造を模して合成された農薬ネオニコチノイド(英:neonicotinoid)。
1990年代初めから、世界各地でミツバチの大量死・大量失踪が報告され、EU諸国では、その主要原因物質と考えられるネオニコチノイド系農薬を使用禁止にするなどの対策が講じられている。日本でも主に北海道を中心とする北日本でミツバチ大量死が多発し、ネオニコチノイド系殺虫剤が原因との結論を研究機関が出している(農研機構)が、日本では特に規制はされていない。
水溶性で、残留性が高いとされており人体への影響が気になるところだが、青山内科小児科医院(群馬県前橋市)の青山美子医師は、周辺地区でネオニコチノイド系殺虫剤のアセタミプリドが使用され始めた2003年から、『体調異常を訴える患者が増加した』と報告している。

手の震え、吐き気、頭痛等を訴え、不整脈等の心電図異常を呈する患者が年間1500人~2000人以上来院しています。このような体調異常を訴える患者が増加したのは、2003年以降のことでした。群馬県前橋市は、周囲を山で囲まれた谷間に位置しており、稲作や果樹栽培が各地で行われています。このような場所で、2003年から松林のカミキリムシによる松枯れ病対策として、従来の有機リン系殺虫剤に代えて、ネオニコチノイド系殺虫剤のアセタミプリドが使用されるようになりました。

患者の生活習慣として共通する特徴に、健康維持に熱心で国産果物やお茶を積極的に摂取していることがあげられます。実は、ネオニコチノイド系農薬の残留基準は、欧米よりもかなり緩い基準値になっています。たとえば、お茶ではEUで0.1ppmなのに対して、日本ではその500倍の50ppmの基準値です。
(pdf)「ダイオキシン国際会議ニュースレターVol.59」

青山医師らの調査では、りんごでは4.9ppm、茶葉では10~20ppm、茶飲料では2.5ppmのネオニコチノイド系農薬が検出されていて、健康にいいと思って食べていたものが実は健康被害の主因になっていたらしい。
国の規制が進まない中、個人で出来る対策として、青山医師は①お茶をやめること、②農薬履歴を調べて、ネオニコチノイド系農薬を使っていない国産果物や、野菜を食べることが必要、と指摘しています。